味のある風貌と演技で大活躍だったタレント、ピエール瀧(51)がコカインを使用したとして、麻薬取締法違反容疑で逮捕された。映画、ドラマ、CM、コンサートの相次ぐ打ち切り、放送中止など事件の影響が凄まじい。
調べに対し、20代のころからストレス解消のために違法薬物を使っていたと供述しているが、ミュージシャンとしてはドイツなど海外で人気が高く、モノがコカインだった点からも、軽いファッション感覚で手を出したのではないか。
精神科医で薬物依存に詳しい宮西照夫さんによると、コカインは南米ペルー原産のコカの葉が原料。元はアンデスの高地の農夫や郵便配達員、軍の伝令などが葉を噛み、覚醒することで酸素の薄い場所での過酷な仕事や任務にあたっていた。
症状は覚せい剤とほぼ同じで、いわゆるハイな時間は40分ほどと短いのが特徴。ピエール容疑者も音楽の創作に苦しんでいたというのなら、音域が広がり曲作りに効果のあるマリファナかと思うが、やはりカッコよさが入り口だろう。
日本人の教育水準は高く、薬物は危険なものという認識を持つ若者の割合は高い。街頭啓発も盛んに行われているが、都会では一般市民に薬物汚染が広がり、最近は和歌山県内でも中学生の薬物依存がみられるという。
米国ではシリコンバレーで働く夫が多忙からテクノストレス症候群となり、そんな夫に相手にされず、暴力を受ける妻はうつ状態に陥る。日本でもキッチンドリンカーという主婦のアルコール依存が問題となった。
薬物をビジネスとするワルは、こうした弱った人を狙って言葉巧みにすり寄る。依存症に至るまでの背景に目を向け、ストレス社会を解決することが先決だ。(静)


