親と一緒に暮らすことができない子どもが里親と生活することを推進する紀南里親支援連絡会が発足し、23日に上富田町朝来の上富田文化会館で結成式が行われた。みなべ町など紀南地方の11市町村が加盟。式では県福祉事業団の日置美次理事長が「まず里親制度の現状を広く知ってもらいたい」とあいさつした。紀南地方では親や家族と一緒に暮らせない子どもが約90人いるという。

 里親制度は、親の病気や死亡、行方不明、虐待などさまざまな理由で親や家族と一緒に暮らせない子どもを自分の家庭に迎え入れて養育するという制度。2017年の厚生労働省の発表では、全国で親や家族と生活できない子ども(18歳未満)は4万5000人いるという。県内では約400人。紀南地方では約90人で、19人の子どもが12世帯の里親に委託され、残りの約70人は児童養護施設に入所している。関係者によると、里親が絶対的に不足している状況だという。


 今回発足した紀南里親支援連絡会は、2017年4月から里親の支援活動などを行っている上富田町の里親支援センター「ほっと」が結成させた。みなべ町以南の紀南地方を対象として組織。市町村、各団体、機関、NPO法人などの支援や協力を得ながら、子どもたちの最善の利益を図ることが目的。事業では、▽各団体・機関で里親制度の学習会等を開催▽自治体イベントやスーパー、商店街での啓発活動の支援――などを行う。結成式には約150人が出席し、日置理事長が「全国的に子どもたちの命が奪われる事件が後を絶たない。近くの住民が子どもの環境で疑問を感じても一歩が踏み出せず、地域のコミュニケーションが不足している。まず、里親について広く知ってもらうことが必要だ」と述べた。


 このあと、県子ども未来課の佐谷圭造課長が「社会的養育推進における里親の役割」で行政報告を行い、和歌山つくし子ども子育て支援センターの森下宣明センター長が「里親制度の課題と他府県の取り組み」で講演した。