南部高校硬式野球部創部70周年の記念事業として同校野球部OB会(上田二朗会長)は16日、みなべ町山内の千里ヶ丘球場で少年少女野球教室を開いた。同部出身で阪神タイガースの一軍打撃コーチを務める浜中治さんらが訪れ、地元の小中学生中心に約160人の球児を指導した。浜中さんは「素振りなどの練習を毎日続け、プロ野球選手目指して頑張って」とエールを送った。

 同校野球部は1948年に創部。これまで春の選抜大会に63年、92年、93年2001年の4度、夏は1963年と82年の2回、計6回甲子園に出場している。プロ野球選手も多く輩出している。

 今回の野球教室には同部出身の現役プロ野球選手、元プロ野球選手らが指導に訪れ、小学生軟式の部、中学生軟式の部、中学生硬式の部に分かれて行われた。講師は、現役で岡本洋介選手(阪神タイガース)、元プロ野球選手では浜中一軍打撃コーチをはじめ山本哲哉さん(元ヤクルトスワローズ)、上田二朗さん(元阪神タイガース)、吹石徳一さん(元近鉄バファローズ)。ロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲得した日本代表野球チームの吉田幸夫さんも訪れ、計6人が打撃、守備、投手に分かれて子どもたちに指導した。

 打撃指導は浜中さんと山本さん、守備は吹石さん、投手は岡本選手、上田さん、吉田さんが主に担当した。浜中さんはティーバッティングを練習する小中学生の1人ずつチェックしながら「ボールをよく見て」「強くスイングしよう」などとアドバイス。杉本一世君(南部小6年)は「『センターから右を狙う感じで打つように』とアドバイスしてもらった。注意点を意識するといい感じに打てた」、山田大雅君(同6年)は「バットが外側から出ているので、内側から出るよう心がけるようにと注意された。とても参考になった」と話していた。

 内野守備を担当した吹石さんは「足を使ってボールを正面で捕球し、次の動作(投げること)を慌ててはダメ。まずきちんと捕球するように」などと指導。投手では、上田さんが「ナイスボール」などと大きな声で選手を誉める姿もみられた。

 浜中さんは、子どもたちに「素振りなどを毎日少しずつでもいいから続けて練習することが大事。継続することが力になります」と激励。山本さんは「練習してうまくなると、野球がより楽しくなります。練習して上達するように頑張ってほしい」、上田さんは「小学生のうちは野球の楽しさを知ってもらいたい。中学校や高校になってからレベルを上げた技術を学ぶとよい」と、それぞれ子どもたちにエールを送っていた。

写真=打撃指導を行う阪神一軍コーチの浜中氏