みなべ町の上南部小学校(湯川三生校長)は15日に同校で福祉講演会を開き、全校児童231人が障害者福祉について学んだ。印南町丹生の会社員で聴覚に障害がある永井正章さん(50)が講師を務め、聴導犬との生活を紹介した。永井さんは「聴導犬を連れて店に行こうとすると、ペットと勘違いした店の人に怒られたこともある。聴導犬について知ってほしい」と語った。

 聴導犬は聴覚障害者を介助するよう訓練された犬。ドアホン、電話などのさまざまな音を聞き分け、音源を人に知らせて誘導する。全国で67匹が活躍しており、うち県内には現在3匹となっている。永井さんと一緒に生活している聴導犬の名前は「エール」。マルチーズとトイプードルのミックス犬のマルプー。2歳8カ月のオス。横浜市の公益財団法人日本補助犬協会から寄贈され、昨年3月から一緒に生活している。永井さんは、出産時にへその緒が首に絡まった影響で、生まれた時から聴覚に障害を持ったという。

 講演のテーマは「聴導犬エールと共に生きる」。永井さんの言葉を妻の千絵さん(50)が手話で聞き取り、子どもたちに紹介した。エールとの生活ぶりについては「宅急便などお客さんが家に来たら体にタッチして知らせてくれる。誘導もしてくれる」などと説明。「聴導犬としての仕事は10歳になった時に終えるが、一生一緒に過ごしたい」とエールへの思いも語った。「聴導犬は、体に『聴導犬』と書かれた黄色いマント(胴輪)を着けている。見かけた時は触ったり食べ物を与えたりせず、温かく見守ってあげて下さい」と呼びかけ、「外出時も一緒に店に入ろうとすると、店員が聴導犬ということを理解せず、怒られることもある。小さなワンちゃんも仕事をしているということを、少しずつ広めていければと思う」と話した。実際にチャイムやキッチンタイマーの音を流し、エールの仕事ぶりを披露した。

写真=聴導犬のエールとの生活を紹介する永井さん