秋の叙勲が3日付で発令され、県関係は女性6人、男性39人の45人が受章した。日高地方では、元御坊市消防団藤田分団長の小川啓次郎氏(80)=御坊市藤田町吉田=が、消防功労の瑞宝単光章に選ばれた。消防団員として43年余にわたって市民の生命と財産を守る活動に尽力したことが高く評価された。5日に県庁で伝達、7日と12日に喜びの拝謁が行われる。
小川さんは1959年7月、22歳で市消防団藤田分団の団員となり、2002年12月31日に分団長を最後に退団するまで43年5カ月にわたって消火や警戒、捜索など昼夜を問わない活動で市民の安全を支えた。
消防団員になったころは火災が多く、JA職員として仕事をする傍ら、昼夜を問わず出動したことは昨日のことのように思い出す。とくに印象に残っているのは、1974年正月早々に発生した本町のスーパー千寿堂の火災。道向かいの店舗裏に油が入ったドラム缶があるのが目に入り、とっさに「これは危ない」と感じ、引火しないように離れた場所まで夢中で転がした。火災が落ち着いてきたときに、近くの民家の住民から餅をもらったのも記憶に残っている。山火事での出動も多く、夜通し消火活動をしたことも印象深い。副分団長や分団長になってからは「火事は一人頑張っても消せるものではない。みんなの力があってこそ」とチームワークの大切さをモットーに若手育成にも力を注いだ。
現役引退後、2007年4月、レジオネラ肺炎を患い、病院に救急搬送されたときには意識を失っており、心臓以外の多臓器不全で医師からは非常に危険な状態といわれたまま、意識が戻ったのは実に3カ月後。足の指を失ったものの、奇跡的に回復し、妻ら家族の支えのおかげで今では充実した毎日を送っている。
受章に「みんなの力添えあっての消防団。職場の理解、地域や家族の協力、先輩や同僚たちのおかげで務めることができた。病気から回復できたのも医師やリハビリの先生ら多くの皆さんに支えられたおかげ。本当に多くの人に助けていただいての受章だとかみしめています」と話している。
写真=消防功労で瑞宝単光章を受章した小川さん


