日高高校で先日、災害発生時に被害状況や避難者情報などをラジオのFM放送で発信するための臨時災害放送局の設置訓練が行われた。同様の訓練を県内各地で行っている県情報化推進協議会(WIDA・ワイダ)が主催。日高の生徒たちも原稿作成やアナウンサーとして活躍した。

 この訓練は有事の際、スムーズに放送局を設置するのと、電波がどこまで届くかを調査するためだが、特徴的なのは高校生もスタッフの一員として参加すること。原稿作りでは御坊市役所の防災担当職員が開く記者会見に記者として参加し、さまざまな情報を取材。その中で、住民に伝えるべき内容を抽出し、原稿にまとめる。最後はアナウンサーとしてマイクの前で制作した原稿を読み上げた。

 取材や原稿作成は限られた時間の中でする必要があり、生徒たちは放送時間が迫ると少し慌てながらも何度も間違いがないかチェック。放送では緊張して時折詰まったり間違える場面もあったが、きちんと言い直し、情報を電波に乗せた。放送を終えた生徒の一人は、緊張から解放されてほっとしたようだったが、「実際に放送が必要になった場合に今回の経験を生かせると思う」と自信に満ちた表情で語っていた。

 ラジオ放送は機材がそろっても取材やアナウンサーなど、一般のボランティアがすぐにできるものでなく、経験が必要。そんな時には今回体験した高校生たちも必ず役立つはず。高校生という立場上、行動に制限はあるだろうが、人材が不足する災害直後には、重要な人材として活躍が期待できる。大災害発生時、ラジオから流れる高校生の声が、被災者を励ますことになるのかもしれない。(城)