今月4日の台風21号による梅の木に対する塩害で、県うめ研究所は以前に実施した試験結果を基に今後の生育についての見解を示し、「2005年の7月と9月に、梅の木に海水を散布する実験を行った。7月では翌年の着果量などに大きな影響がみられたが、9月では影響が小さかった」と説明している。今回の台風による落葉については「葉が枯れる程度なら影響は少ないと考えられる」と話している。
台風21号の時には海水を含んだ強風が内陸部まで到達。梅の葉が枯れて落葉するという被害が広範囲に発生した。農家からは「来年の着果や収穫量に影響するのではないか」と心配する声が聞かれている。
県うめ研究所は2005年に潮風害に対する被害の影響について試験を実施。7月13日と9月26日に梅の木に霧状にした海水散布処理を行い、翌年の着蕾(ちゃくらい)数、着果率、収穫果数などを調べた。海水散布処理しなかった無散布区の着蕾数は72・1個(100節あたり)、着果率9・1%、1樹当たりの収穫果数127・9個だった。これに対し、7月散布では着蕾数が57・5個で20%減、着果率では0・6%と8・5ポイント減少した。収穫果数についても5・3個で、96%減と大幅に少なかった。しかし9月の散布をみると、着蕾数は72・9個、着果率は8・7%、収穫果数は121・5個と、無散布区とほぼ変わらなかった。試験では落葉後に尿素散布や木にホワイトンパウダーを塗布することで樹体の窒素含有率が高くなり、翌年の着蕾数、着果率、収穫果数を向上させるという結果も得られた。
うめ研究所では「台風21号は9月4日で、試験したのは9月26日と日程的なずれ、栽培環境の違いなどがあるため100%断言はできないが、台風の塩害で葉が枯れた程度なら影響は少ないのではないかと考えられる」としている。ただ、海から4~5㌔以内の沿岸部を中心に結果枝(花や果実が着く枝)が枯れてしまった木もみられており、「結果枝が枯れると、収穫量などに影響する」と話している。
写真=台風21号の塩害で落葉した梅の木


