台風21号により、筆者の住む地域は9月4日昼から6日昼までまる2日間電気がストップしていた。「当たり前のこと」ができない状態が長く続くと、意外なほどのストレスになると知った◆気温が30度を超えるような真夏ではなかったのがまだしも幸いだったが、やはり暑さは耐え難くうちわが手放せない。パソコンが使えないと持ち帰った仕事もできない。携帯電話の充電ができない。困ったことも多かったが、炊飯器の代わりにたまたま譲り受けていた土鍋を活用、電子レンジは使えないが、鍋やフライパンで十分用は足せて、暗い台所で懐中電灯を駆使しながらレトルト食品も活用して食事は問題なく用意できた。「うまくいった」と思うとストレスは軽減し、かえって面白さを感じるものだが、そのような努力を必要とする状況が繰り返される、しかもいつまで続くかわからないのがこたえる◆6日昼に電気が復旧した時は安堵し、もう大丈夫という気になったが、その夜にまた2度の停電を経験した時はさらにこたえた。2度目の時は携帯電話が手元になく、どこへ置いたかとっさに思い出せない。いざという時の対処など心得ているつもりでいても、突然暗闇の中に放り出されると本当に何もできなくなる。手探りで探しても、焦れば焦るほど場所の見当がつかない。幸いほどなく復旧し、電燈が点いた時は、近ごろ経験がないほど安心した◆6日午前3時8分頃に北海道胆振東部地震が発生していたことを、かなり経ってから知った。土砂崩れによる犠牲者が出ており、深刻な事態に言葉もない。この国ははるか昔から過酷な自然現象を乗り越えては歴史を重ねてきたのだが、一人一人にその教訓が刻まれるには至っていないと、自戒を込めて思う。(里)