台風21号は、日高地方にも大きな爪痕を残した。非常に強い勢力のままでの上陸は1993年の台風13号以来、25年ぶりらしく、確かにあれほどの暴風雨を見た記憶はあまりない。
台風通過後、車で見回ってみると、やはり風の被害が多いようで、木や看板が倒れていたり、倉庫の屋根が吹き飛んでいたり。そんな中でも電柱が倒壊したり、電線が垂れ下がったりしている様子が衝撃的だった。その影響か、日高地方でも各地で停電が発生。復旧するまで数時間かかり、翌日の朝の時点でまだ復旧していないところも。会社では停電の影響で給水ポンプが機能せず断水。スマホは充電できないため、災害情報を入手するにも利用を控えなければならない。また、大雨時に一番気になる日高川水位のネットでの映像配信は、更新されることなく4日12時59分のまま停止。この日夜には雨脚がきつくなり、午後8時過ぎに再び大雨洪水警報が出されたが、7年前の台風12号に伴う紀伊半島豪雨で被害を受けた人にとって、水位が確認できないのは恐怖だ。
停電により、電気のありがたさは実感する。しかし、同時に電気事業者は「何をしているのか」と怒りすら覚える。当然、自家発電機や懐中電灯、ラジオなど各家庭や企業で災害に備えることは大切だが、それ以前にこんな脆弱(ぜいじゃく)な送電施設でいいはずがない。近年、自然災害が多発する中で、危機管理意識はどうなっているのか。しかも、紀伊半島豪雨でも日高川町では3日間ほど停電が続いたが、その時の教訓は生かされているのか。ライフライン確保は、もちろん事業所だけの責任ではない。国もまた、強靭な国土をつくるために力を尽くしてほしい。(吉)


