JA紀州(芝光洋組合長)の移動スーパー「とくし丸」6号車の出発式が2日、みなべ町東吉田のAコープみなべ店前で行われ、田辺市龍神エリアでの販売がスタートした。芝組合長は「地域に貢献し、ご愛顧いただけるようにこれからも活動していきたい」とあいさつし、早速6号車が龍神へ出発。初日の利用客らは「とても助かります」と喜んでいた。

 出発式には関係者15人が出席。芝組合長のあいさつのあと、津村耕平専務、安達克典龍神理事ら5人とテープカットを行った。芝組合長から販売員の泉健二さん(61)に6号車のキーが手渡され、関係者やJA紀州のマスコットキャラクターきぃぽんが見守るなか、6号車は早速販売エリアの田辺市龍神村に向け出発した。

 同車の訪問件数は130件で、3ルートに分け週に2回訪問。それぞれの利用者宅前に到着すると、泉さんが玄関先まで行って声をかけたり、同車から流れる音楽を聞きつけ利用者が出てきたりして、買い物が始まった。利用者は買い物かごを手に、ほしい物を泉さんに伝えたり、商品を手にとって選んだりしては、買い物を楽しんでいた。甲斐ノ川の渡瀬米子さん(82)は「買い物に不自由しているので、とくし丸が来てくれて感謝してます。とても便利です」と話していた。

 とくし丸は専用の軽トラックにAコープの商品を約1200点積み込み、高齢者ら日常の買い物に困っている人の自宅前まで行き販売する、同JAの地域貢献事業。買い物を通して直接顔を合わせ、会話をしている販売担当者は異変に気付きやすいという利点を生かし、地域の見守り隊としての役目を果たすことから、去る7月19日に田辺市と見守り協定を結んでいる。

写真=買い物を楽しむ利用者と販売員の泉さん(右端)