日高町は8日、6月議会(12日開会)に提出する一般会計補正予算案を発表した。松本秀司町長にとって2期目最初の本格予算編成で、園児数の増加に伴う志賀保育所の増築や御坊市が行っているファミリーサポートセンターへの参画、津波避難路の機能強化など、子育て支援や防災に重点を置いている。
 ことし4月に町長選があったため、新年度の当初は骨格予算となり、今回が政策的な経費を盛り込んだ本格予算となった。
 補正額は1億6946万円の追加で、総額は41億4794万5000円。志賀保監理・増築工事費は6827万8000円。日高町は県内でも数少ない人口が増加しているまちで、同保の園児も年々増加しており、ここ数年をみると2013年度121人、14年度125人、15年度126人、16年度133人、17年度135人、本年度140人。現在定員は120人で、定員の20%超まで受け入れが認められているため、保育に大きな問題はないが、今後の増加を見込んで増築が必要となっている。予算が可決されれば、保育所敷地内の駐車場スペースを利用して保育室2部屋分の施設を建設。同時に既設玄関の改修も行う。本年度中に工事を行い、オープンは来年度からを予定。定員は現行から最大44人増やすことが可能となる。
 ファミリーサポートセンターは御坊市が前年度から導入した子育て支援施策で、日高町が参画する形。事業負担金は208万円。おおむね小学校6年生までの子どもの一時預かりや送迎などを行う。子育ての援助を受けたい人と援助をしたい人が登録して、同センターが両者をマッチングする。登録は無料。
 災害対策費では、阿尾に整備された避難広場の避難階段誘導灯や手すり、産湯町道への避難誘導看板の設置を盛り込んだ。予算は合わせて260万円。県道沿いにある阿尾消防車庫の高台移転設計委託料80万円もある。また、議案では、比井避難路工事の請負契約締結を提出。契約金額は1億1987万7840円。契約先は比井の㈱中村建設(中村昭代表取締役)。
 このほか、補正予算では、比井の斎場駐車場転落防止柵設置工事288万2000円、道路台帳のデータ化3600万円、ゆかたフェスタ補助50万円、クエ・フェア補助500万円、放課後子ども教室関係費29万4000円など。
 松本町長は「1期目に引き続き子育て支援の充実に力を入れ、地震や津波の避難路となる町道や県道などの整備もスピード感を持って進めていきたい」と話している。