南部川を遡上する稚アユが好調だ。南部川漁協が山内地内で実施している特別採捕量は2日現在で755㌔を記録し、すでに過去10年間で最多となった。県水産試験場内水面試験地(紀の川市)によると、「昨年の10月に降雨が多かったことや黒潮の離岸が影響し、紀伊水道に稚アユのエサとなるプランクトンが豊富だった可能性がある」と、要因を分析している。
特別採捕は、遡上する稚アユを堰堤の魚道に仕掛けを設置して捕獲。捕まえた稚アユは友釣りなどに備えて上流域に放流している。
特別採捕量は出足から好調で、先月25日に178㌔、28日に153㌔、30日に161㌔、31日に161㌔、今月2日に102㌔を採捕した。過去10年間の採捕量をみてみると、2009年が103㌔、10年が257㌔、11年が388㌔、12年が130㌔、13年が90㌔、14年が247㌔、15年が327㌔、16年が284㌔、17年が375㌔。現在は採捕期間(今月末まで)の途中だが、過去もっとも多かった11年の388㌔に対してすでに約2倍で、過去平均244㌔の約3倍となっている。
漁協では「ことしは遡上時期も例年より早かったし、量も多い。目標量の1000㌔に初めて達するのではないか」と話している。好調の要因について、県水産試験場内水面試験地は「ふ化して海に下る時期の10月から11月に降雨が多く、川から栄養分の豊富な水が海に流れ込み、アユのエサとなるプランクトンが多くなったのではないか。加えて、黒潮が離岸していることで潮の流れが変化し、瀬戸内海方面の栄養分の多い海水が紀伊水道に流れ込んだことも可能性として考えられる」と話している。

