由良町里のJA紀州ゆら柑橘撰果場で30日から、ブランドみかん「さつき八朔(はっさく)」の出荷が始まり、生産農家が収穫作業に追われている。
 年末までに収穫するハッサクと違い、3月まで木に実らせて、さらに収穫後すぐに出荷する特産品。糖度が高く、十分な甘さに、ほどよい酸味、ハッサク独特の苦味は控えめで、もぎたてのジューシーさが味わえる。
 撰果場の担当者らによると、出荷は4月末まで。東京や大阪などの市場に送られる。ことしは昨年の天候不順で全体の量は前年より少ない約100㌧の見込み。味は「『さつき』本来の味、ジューシーさがのっている」と太鼓判を押す。
 さつき八朔を50㌃栽培する阿戸の桶田幸広さん(63)も収穫に大忙し。額に汗を光らせて作業し、「ことしは寒かったので皮が薄くいい出来。少し小ぶりですが味はよく、直売所にも並ぶので、ぜひ食べてください」と笑顔を見せている。