3月は日高地方の各小中学校、高校、幼稚園、保育園などで卒業式や卒園式が行われた。いくつか取材に行ったが、印象的だったのは本年度で閉園となる日高川町の寒川保育園。卒園児2人のうち、1人が体調不良で欠席し、出席は1人のみ。別れの歌では途中から涙を流し、別れの言葉では声を詰まらせながらも最後までやり遂げた。子どもながら園との別れを悲しむ心と、泣きながらもみんなで練習してきた歌や言葉をやり遂げようと一生懸命な姿に、会場の保護者や保育士らも何度も涙を拭っていた。
このほかことしは切目中と御坊小などを取材。別れの歌はGReeeeNの「遥か」で、このほかいくつかの学校でもうたわれた。父や母の思いを胸に旅立つことをうたった曲。卒業生の思いと重なる部分もあるようで、うたいながら涙を流す生徒の姿も見られた。
卒業式の最後にうたう定番はやはり「蛍の光」。「蛍の光 窓の雪」と、中国の故事を基にした歌詞で始まり、別れをうたった曲。日本人になじみの曲だが、原曲はスコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」。イギリスなどでは新年を祝うときにうたうという。
「オールド・ラング・サイン」は「久しき昔」と訳され、歌詞は日本の「蛍の光」と異なる。冒頭「旧友は忘れていくものなのだろうか、古き昔も心から消え果てるものなのだろうか」から始まり、離れ離れになった友人と再会し、酒をくみ交わすという内容。ことしそれぞれの学び舎を巣立っていった卒業生たちも、進路の違いから友人と別れることもあるだろう。ただ「蛍の光」をともにうたったことを忘れず、いずれ原曲のように再会を喜び合える日が来ることを願いたい。(城)

