中華料理はもちろん中国で生まれた。しかし、日本だけにある中華料理も多い。例えば、天津飯、中華丼など。焼き餃子も中国で一般的に食べられている水餃子とは異なる。代表的なラーメンも中国の麺料理を原形にしているが、日本流にアレンジされて独自に進化した。
 中華料理だけでなく、洋食でも同じ。オムライスは海外で誕生したのではなく、発祥したのは日本。カレーについてもインド料理を基にイギリスで生まれ、日本に入って独自に変化したといわれる。しかし、こうした経過があったからこそ、中華にしても洋食しても日本で普及したのかもしれない。
 逆に寿司、そば、天ぷらなどの伝統的な日本食は地方によって多少は異なるが、基本的な部分はあまり変わらない気がする。日本人は外から入ってきたものは原型が分からないほど形を変えようとするが、古来から伝わるものについては手を加えて大きく変化させようとしないのはないだろうか。
 そんな中でも、梅干しは比較的手を加えている日本食の部類に入るだろう。昔は白干し、シソ漬が一般だったが、近年ではハチミツ漬け、カツオ梅などが開発された。中にはデザート感覚の梅干しもあり、味は大きく変わった。中には酸っぱさがほとんどない梅干しもあり、食べやすさが追求されている。
 梅干しの消費は近年は減少傾向にある。日本一の産地のみなべ町では外国に販路を見出そうという取り組みを始めた。シンガポールの有名パティシエの梅を使った創作料理のデザートは梅が独創的に使われた。
 寿司が海外でその国に合ったような形に変えて普及しているという例もある。ぜひ、外国で梅干しをもっといじってほしいものだ。(雄)