みなべ町の海岸地区を中心とした地震・津波防災訓練が「世界津波の日」の5日に行われ、万一の災害に備えて住民が高台へ避難した。南部小・中学校でも児童生徒が訓練を実施、駆け足で医王寺(埴田)の裏山を目指した。今回の対象人数は1万510人で、そのうち一般3240人、小中学生約650人が参加。参加率は約37%だった。
実施主体は南部地区、岩代地区、上南部地区の22自主防災会など。 「 午前 8 時30 分、県全域で非常に強い揺れを感じる地震が発生し、8時33分に大津波警報発令。震源は県南方沖で、震源の深さは10㌔。マグニチュードは9・1」という想定。地震を知らせる放送で訓練が開始され、住民が徒歩や自転車、単車などで高台にある避難場所に移動した。医王寺(埴田)の裏山に避難した芝の山本利男さん(68)は「10分ぐらいで避難できた。今回は明るい時間帯での訓練だったが、本当の津波だと家の戸が開くかどうかも分からないし、家が崩れているかもしれない。夜だともっと時間がかかるだろう」、埴田の坂本敦さん(73)も「今回の避難時間は5分程度だったが、本当の地震・津波だと想像もできないようなトラブルが発生するかもしれない」と不安げだった。
この日は日曜日だったが、南部小・中学校の児童生徒も登校して参加。南部小学校では訓練の放送が流れると机の下にもぐり込んで体を隠し、揺れが収まったのを確認して運動場に集合。その後、約1・2㌔離れた医王寺の裏山まで駆け足で避難した。6年生は1年生、5年生は2年生とそれぞれ手をつないで走り、最後に到着した児童は放送から約16分後だった。
訓練終了後、山本仁史校長は児童に「家の人に避難場所を伝えておくこと。学校にいない時の避難方法も家で話し合って下さい」と呼びかけた。南部中学校の生徒も医王寺の裏山に避難し、最終避難者が到着するまで約14分だった。山本昇校長は「今回は一般の住民と一緒に行ったが、スムーズにできた。今後も訓練を行い、子どもたちの安全対策を図っていきたい」と話していた。参加者からは「医王寺の裏山は避難路が狭くて危険。道の端には柵もなく、夜に避難すると転落してしまう恐れもある。早急に整備をしてほしい」という声も聞かれた。

