本年度第4回市民教養講座は、気象予報士で防災士の片平敦さん。物心ついた時からなぜか「天気予報のおじさんになりたい」という明確な希望を持っており、中高時代は毎日ラジオを聴いてひたすら天気図を書いていたそうだ◆講演では天気に関する蘊蓄も次々に飛び出した。日本の天気予報は明治時代の1880年代から行われており、その頃から延々と同じ場所で観測が行われているのは全国でただ1カ所、和歌山地方気象台で、「誇りに思って下さい」と力説。近隣に大きなビルなどができると観測の条件が変わるので移転せざるを得ないのだが、和歌山だけはそうしたこともなく現地で130年以上続けている。誇りに思うべきなのかどうかちょっと考えてしまったが、全国に1300カ所あるアメダスの中で片平さんが一番好きな場所も和歌山にあり、「友ケ島のアメダスはいい所で、ピクニックに最適です」とのこと◆天気予報の最も重要な役目は、「災害から人の命を守ること」。気象情報をきくうえで知っておくべき言葉として「土砂災害警戒情報」「記録的短時間大雨情報」「〇〇川(該当する河川の名が入る)氾濫危険情報」の3つを挙げた。この3つが出される状況になると警報よりも危く、避難すべきという。天気予報をじっくり見たうえで、皆が空の色、風の音など自然の声を自分なりにとらえて的確に行動することで「被災者ゼロ」に近づけられる◆「信頼している人の言葉なら心に響くはず。『駄洒落ばっかり言ってる片平さんが逃げてと言っているんだから、逃げなきゃ』と、普段は親しんでもらい、いざという時は信頼してもらえる『天気の町医者』でいたい」と言った時、ニコニコと穏やかな笑顔の向こうにある高いプロ意識を感じた。   (里)