太陽表面の爆発現象「フレア」が去る6日夜に観測され、大量の粒子が地球に降り注ぎ始めた。人体への影響はないとされるが 、 ここ 2、3 日は人工衛星の故障や大規模停電のほか、GPSの誤差が大きくなるなどのトラブルが起きる恐れがある。日本に被害が出るほどのレベルではないというが、何だか不気味である。
 これまで知られている最大のフレアは1859年に発生。爆発エネルギーは、核爆弾の1000倍以上とされる水素爆弾が、さらに10億個集まった威力。もはやすご過ぎて逆に分かりづらいが、専門家によると現代でその規模のフレアが起きれば人工衛星は全滅し、世界中で通信障害が発生。各国で大停電が長い間起きて、食糧や燃料、医療品などの物資の不足と衛生状態の悪化に伴い、疫病のまん延と飢餓が生じ、文明は危機にひんすると言われている。
 そんな中、同じように電気、通信などの社会インフラを壊滅させる電磁パルス(EMP)なる兵器を北朝鮮が開発しているニュースを知った。高空で爆発させて強烈な電磁パルスを広い地域に拡散させ、電子機器をショートさせて破壊するそうだ。すでにアメリカやロシアで開発されているが、国連決議に反してミサイル発射や核実験を繰り返す北朝鮮が持つ脅威はいかほどか。
 しかし、実はその兵器でさえも、太陽フレアの破壊力に比べれば大したことはない。世界では巨大地震やゲリラ豪雨、火山の噴火などさまざまな自然災害も発生。ともすればミサイルよりも恐ろしい自然の脅威に対して、国と国が手を取って立ち向かっていくことこそが世界に求められているのだが、話が通じる相手ではない。      (吉)