25日朝、長野県南部を震源とする地震が発生。王滝村と木曽町で「震度5強」の強い揺れを観測した。マグニチュードは5・7。幸い死者は出なかったが、けが人が出たほか住宅が損壊するなどの被害があり、ホテルの宿泊者が一時孤立するという事態も発生した。
 筆者が体験した大きな地震と言えば、平成7年の阪神淡路大震災。当時、和歌山市内にいた。その時の震度は4で、ベッドの上で照明が大きく揺れたのを覚えている。家具の転倒はなかったが、身の危険を感じるほどだった。御坊市内の住宅では壁にひびが入るなどの被害もあった。
 その時と同じ震度4の地震をみてみると、今月に入ってからだけでも長野地震のほか四国と九州の間にある豊後水道、長崎県の橘湾を震源とする地震がある。しかし、筆者の感覚が鈍いのか、地震の数が多すぎるためなのか、直近の大きな地震といえば昨年4月の熊本地震が頭に浮かぶ。
 昔から天災は忘れた頃にやってくると言われるが、実は日本列島では忘れる暇もないぐらいに地震が起こっている。だが、実際に体験したり甚大な被害が出たりしないと記憶の隅に追いやられてしまいがちで、甚大な被害のあった熊本地震についても風化しつつあるのではないだろうか。
 常々言われていることだが、当地方では南海地震が大きく懸念され、特に心配されるのが大津波。そのための訓練は海岸沿いなど各所で行われている。しかし山間部でも山津波の可能性があり、さらに言うと災害は地震や津波だけでなく、今の季節は大雨や台風にも警戒が必要だ。身の危険を感じる災害がいつ起こっても不思議ではない。普段の備えが大切で、「自分は絶対に大丈夫」という根拠のない考えは捨てるべきだ。     (雄)