同じ境遇の人同士が不安や悩みを語り合い、少しでも安らげる場になれば。そんな思いでスタートした日高病院のがんサロンが開設から4年目を迎えた。毎月1回、第3木曜の午後2時から。治療中の患者や現在は回復した人、家族をがんで失った人らが参加している。
 国が新たながん対策推進基本計画の策定に向け、素案を示した。日本人のがん死亡率は減少しているものの、検診受診率は先進国の中ではまだまだ低く、次期計画では検診で問題が見つかった人の精密検査受診率を90%に高めることを目標にするという。
 死亡率を下げるには当然、予防が第一ではあるが、さまざまな要因が重なり発症するがんを確実に防ぐことはできない。次期計画では予防、医療の充実と並ぶ柱に「がんとの共生」を掲げ、その重点課題に「診断時からの緩和ケア」が盛り込まれる。
 がんは早期発見すれば確実に治り、適切な治療を行えば、完治せずとも普通に日常生活を過ごせる「慢性病」に変わりつつあるともいわれる。とはいえ、告知を受けた患者の衝撃はとてつもなく大きく、精神面の回復を支えるケアが重要となる。
 がん患者にとって医師は神様仏様。話したいことはいろいろあるが、ずばり恐ろしい現実を口にされるのが怖い。どうかこの気持ちを察して、優しい笑顔で励まして。診察時の言葉はもちろん、表情一つで命が伸び縮みするのを感じる。まるでひそかに想いを寄せる初恋の人のようでもある。
 緩和ケアとは終末期の患者だけのものではない。診断時のショック、辛いうえに高額の治療に対する不安、そして何よりつきまとう死の恐怖を少しでも和らげ、治療に前向きになることを支える。がんサロンもその一環、気軽に利用を。  (静)