先日、和高専などが主催する防災講演会で、物流の専門家、伊藤秀行氏から災害時の支援物資の流れで聴いた。国から届けられる物資の流れについて、国から県、県から市町村の拠点まではスムーズに運ばれるが、その拠点から各避難所などへの運搬が滞ることが多いという。
 拠点にはありとあらゆる物資が届く。特に災害直後最も多いのが「水」。数ケースとなるとかなり重いため、運んでいるだけで「腰を悪くする」という。東日本大震災の際では陸運送だけでなくヘリや船舶、米軍からと、あらゆる方面から物資が届き、対応に追われて避難所への物資が遅れた。熊本地震の際にも、拠点で物資がさばききれないため、支援物資を乗せたトラックが大渋滞したという。
 伊藤氏は「スムーズな物資運搬へはまず市町村の拠点の設備が重要」と指摘。物資を置いたり仕分けするための広いスペースのほか、停電時の夜間でも作業できるよう発電機と投光機も必要だ。フォークリフトの存在がかなり大きいため、民間倉庫活用の有効性も強調。さらに運営は柔軟性のあるNPOに任せることでスムーズに避難所へ物資を届けられることを説明した。
 実際に被災地で活動したことがある伊藤氏だからこそ、物資運搬の難しさがリアルに伝わった。日高地方の各市町は体制が整っているだろうか。スペースさえ確保すればいいというものではなく、さまざまな課題がある。伊藤氏が主張するように民間倉庫の活用、日ごろからNPOとの連携を深める重要性もさることながら、まずは実際の物資やそれに代わるものを使った本格的な物資運搬訓練を実施し、各市町ごとの課題を洗い出すことが必要だ。 (城)