29日に行われた介護福祉士の国家試験の受験者数が、前年度の16万919人から半数以下となる7万9000人余に激減したという。厚生労働省が介護職の資質の向上へ向けて、本年度から受験資格に実務者研修の受講を義務付けたのが要因とみられている。時間も受講料も必要なため、敬遠されたということだろう。ここ数年は毎年16万人前後の受験者で、9~10万人が合格していたが、ことしの資格取得者は大幅に減ることになるのは必至。介護現場では慢性的な人材不足が最大の課題となっているが、将来的に担い手がさらに深刻化するのではと不安は大きくなるばかり。
受験者数だけではない。介護福祉士を養成する全国の大学や専門学校の定員割れは、統計が残っている平成18年度以降11年連続となっており、28年度は50%を割って46%にとどまったと大手新聞で報道されていた。これからを担う若い介護福祉士の減少は、人材確保が必須課題の介護現場には大きな痛手。要因となっているは重労働の割に給与が低いことだと指摘されている。い
くらやりがいのある仕事でも、仕事ぶりへの対価が低ければ、対価の高い職種に流れるのも仕方ない。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる、いわゆる2025年問題まであと6年。全人口の4人に1人が後期高齢者となる超高齢化社会に対応するためには、介護職員はもちろん、中核となる介護福祉士の確保がまさに喫緊の課題だ。給与や労働条件の改善にいますぐ取り組まないと手遅れになる。市町村レベルで解決できることではない。介護職が若者に人気の職業にするために、いまこそ政府の、政治の力が問われている。 (片)

