御坊市本町商店街振興組合(坂井和夫代表理事)は、紀州鉄道の人気車種で2012年に廃車となった「キハ603」を本町3丁目に移動させ、シンボルにして商店街の活性化を目指している。製造から60年経つレトロな車両を活用し、テイクアウトの店舗等を検討しており、本年度は住民や観光客を対象にニーズ調査のアンケートを実施。結果を参考に計画を進め、早ければことし中にもオープンさせたい考えだ。
 キハ603は鉄道愛好家から絶大な人気を誇っていたが、2012年に現役を引退してからは紀州鉄道紀伊御坊駅で保管されている。廃棄される予定だったが、同組合では「人気のある車両だけにもったいない」と、以前からキハを商店街に移動して、グッズ販売やイベントを開催してにぎわいを創出することを検討。昨年5月には、来坊した当時の林幹雄経済産業大臣に補助金などの支援を要望していた。
 今回、国の地域商業自立促進事業(調査分析事業)の補助申請が採択され、約220万円の事業費のうち142万円の補助を受けてキハを使った活性化へ向けたアンケートを実施。アルバイトを雇って街頭などで住民1000人、JR御坊駅や紀州鉄道を利用する観光客300人に「車両を商店街が引き取って活用する計画をどう思いますか」「どんな施設・店があったらいいと思いますか」などの質問でニーズ調査を行う。来月中旬までに調査を終え、早急に具体的な計画をまとめて来年度はハード整備に取り掛かる。同組合では車両の移動や候補地の整地などで約1200万円の事業費が必要と見込んでおり、4月には国の補助金を申請。交付が決まれば6~7月ごろにも候補地の整地、車両の移動、車内の改装などを行い、順調にいけば年内にも店舗とコミュニティスペースを兼ねた施設をオープンさせる計画。
 キハ603は鉄道ファンから人気が高かったことから、新しい施設として生まれ変われば再び注目されそうだ。坂井代表理事は「商店街のシンボルになってほしい。スクラップされるのはもったいないので、有効活用して少しでも集客につなげていきたい」と事業の実現へ意欲を示している。