子育てしながら働ける環境づくりを進めようと、美浜町の主婦山田知代さん(36)が代表となって、民間団体「HIDAMARI」が発足した。Facebook等で子育てに役立つ情報の発信やオリジナル商品の販売をスタートさせており、現在は活動の拠点となる美浜町和田の古民家を改修中。今後は「子連れで働く」仕組みの確立へ仕事の依頼を募る計画で、女性がさらに活躍できる新しい取り組みとして注目されそうだ。
 山田さんと友人の庄田実里さん(32)=日高町=が2人で結成。きっかけは「子どもを預けて働くのではなく、子どもと一緒の空間で仕事ができる環境があれば」との主婦目線の率直な思いで、意気投合した2人は行政等に頼るのではなく、自分たちから活動を広げていこうと民間団体を組織した。「子育て中のお母さんが服を買ったりママ友とランチに行く小遣いを自分で稼げるようになる」のが目標だ。
 春ごろから本格的に活動していくことにしており、現在は美浜町和田地内の古民家を拠点にしようと内装などを改修中。遊具等で子どもたちが自由に遊んでいる隣の部屋で母親が内職のような仕事をするのが理想の形。欠かせないのが仕事を発注してくれる協力企業や団体で、「例えば企業のダイレクトメールのシール張りや100円ショップ商品のネジ付けなど、拠点の古民家にみんな集まってできる仕事があれば、子どもを安心して遊ばせながらできる。自治会の配り物の仕分けと宅配なども有料で発注してくれる地域があればうれしい」と期待を寄せ、協力企業を募集している。
 仕事は受注だけでなく、HIDAMARIオリジナル商品の開発も展開していきたい考え。いまは山田さんが手作りしているミカンやカキ、イチゴ、バナナなど8種類のフルーツを使った無添加の乾燥果物(1袋350円)を販売中。拠点が完成すれば量り売りの店頭販売を行う計画で、ほかにも新しい商品を考案していく。
 活動は母親の仕事の創出だけでなく、子ども連れでも入りやすい店などの情報発信、イクメンの推進、異世代の交流、男女共同参画の推進なども行っていく。
 活動を助けてくれる『ひだまりサポー隊』と、古民家の改修や運営に活用する『ひだまり募金』(一口100円)への協力も呼びかけている。山田代表と庄田さんは「拠点は美浜町になりますが、日高郡市全域が活動エリア。人や物、お金の流れを日高郡内で循環し、地域が活性化し、子育てしやすいまち、地域との連携が深まり、子連れでも働きやすい社会を実現したい。全国のモデルとなり、日高地方を盛り上げられるよう頑張っていきたい」と張り切っている。