先日、両国国技館で行われた世界のビッグアーティストが集うイベント。「ジミー・ペイジとジェフ・ベックが夢の響演」と銘打ちながら、目当てのジミー・ペイジは演奏もせず、ものの2分で退場したという。
ワイドショーで見た限り、ファンにとってはあまりにひどい話。最も高い席は30万円もしたそうで、最終的に希望者には全額返金することになったというが、ポスターや告知は明らかにギター演奏を披露するという印象で、騒ぎになるのも当然だろう。
ライブは、演者と客席の生の一体感が醍醐味。大好きなアーティストであれば、ファンはその時間がまさに夢見心地で、海外の大物ともなれば、この機会を逃せば二度と日本に来ないのではという心理も働き、チケット争奪が激化する。
10年以上前のエリック・クラプトンの大阪城ホールもそうだった。広告には「これが最後のワールドツアー」とあり、慌ててチケットを申し込んだが、すでに完売。ウドー音楽事務所のお姉さんに「立見席ならご用意できますが...」といわれ、思いきって8000円の立見券を2枚買った。
与えられた場所はステージから最も遠く、札幌ドームなら大谷翔平のホームランが突き刺さる最深部。左中間スタンド最上段の後ろの通路で、クラプトンは目を凝らして何とか姿が見える程度だったが、それでも「最後の日本公演やしな」と満足して帰った。
ところが翌年、見納めだったはずのクラプトンがまたも来日。以降も毎年のように日本へ来ており、3年前にはツアー引退を宣言しながら、平然とツアーを続けている。「おまえは『もうあかん』の大阪の靴屋か」と突っこみたいぐらいだが、今回のジミー・ペイジに比べれば笑えるだけ罪は軽い。 (静)

