今月5日の世界津波の日や前後には全国各地で地震や津波の避難訓練が行われ、もしもの場合に備えた。訓練直後はみんなの危機意識が高く、仮にいま災害が起きても、それぞれが訓練で学んだことを生かして実践に移せることだろう。
当然、訓練は定期的に行っていくことが望ましいが、大規模な訓練はそうそう頻繁にできず、年に1、2回実施できればいい方か。参加しなかった、またはできなかった人もいるだろうし、そんな人にとっては、災害への危機意識も薄らいでいくのではないだろうか。しかも、東南海・南海地震や南海トラフの巨大地震の危険性が叫ばれて久しいが、すでに何回も訓練に参加した人の中には、「もう逃げ方も分かったし、今回は参加しなかったよ」と漏らす人も出てきた。しかし、油断大敵、災害は忘れたころにやってくる。危機感をあおるわけではないが、常に一定の危機意識は維持しておきたい。
先日、日高町で朝日放送「おはよう朝日です」などの気象予報士でおなじみ正木明さんの講演会があった。防災をテーマに語った中で、「他の地域で起きた災害を自分のことのように思うこと」を勧めていた。日本や世界各地ではほぼ連日のように、地震、津波、土砂災害、火山の噴火、雪崩など、さまざまな自然災害が発生しているが、他人事として見過ごすのではなく、例えば家族や近所で「あの災害は大変だった」などと話し合い、真剣に受け止めることが大切。それだけのことだが、頭の中の防災訓練になり、危機意識の維持にもつながるという。つまり防災とは、テレビや新聞など日々の災害ニュースに対してアンテナを高くすることでもある。 (吉)

