大阪成蹊大学芸術学部などが主催する第6回全国アート&デザインコンペティションで、紀央館高校美術部の山口栞奈さん(3年)が最高の大阪成蹊芸術大賞に選ばれた。昨年冬に入部し、初めての作品ながら抜群のセンスが光り、西日本を中心に全国から1000点以上の応募があるハイレベルのコンペで見事栄冠を手にした。
 コンペは豪華な副賞などで出品数が多く、例年ハイレベルな内容になっている。高校生の部は「グラフィックデザイン・イラストレーション」「マンガ・アニメーション」「写真」「ファッション・インテリア・プロダクトデザイン」「美術・工芸」の5部門。今回は5部門に1118点の応募があり、大賞1点、準大賞1点、毎日新聞社賞1点と各部門に金賞を1点ずつ選んだ。
 「グラフィックデザイン・イラストレーション」で出品した山口さんの作品「鴉鳥絵(あとりえ)」は、F50号(116×91㌢)のキャンバスに鳥やポット、ビンなど、さまざまなオブジェをランダムに並べ、独自の感性で色や模様を描いた。オブジェは美術室にあった物で、模様も身近にあるものなどから見つけて描いた。色は和をイメージした抹茶の緑をベースに、黄や赤、青などカラフルに仕上げた。タイトルは、「アトリエ」とオブジェに鴉(からす)などの鳥があることから、鴉鳥絵の字を当てた。
 これまで美術の経験はなし。昨年冬に友人が所属していた美術部の部室を訪れた際、顧問から声をかけられ作品作りを開始。以後、ことし10月まで少しずつ取り組み完成させた。初の作品での栄冠に「細かい部分が大変でした。初めての作品で自信もなかったのですが、大賞に選ばれたことにびっくりしています」と驚いている。3年生で、すでにクラブ活動は終わっており、最初で最後の作品となった。
 同校美術部からは岡田奈津実さん(3年)が美術・工芸部門で昨年に続き2回目の金賞を受賞。2人の受賞で紀央館が優秀学校賞にも選ばれた。
 受賞作品は今月19日から12月4日まで同大で展示される。