昨年12月の国連総会で11月5日が「世界津波の日」に制定されて初めて迎えた5日、日高地方各地で防災訓練が行われた。御坊市では午前9時の市内放送を合図に各家庭で自分の身を守るシェイクアウト訓練と避難が実践され、総勢2500人の市民が参加。印南町では避難所での炊き出しなども行われ、近い将来の発生が懸念される南海地震等に備え、「自助」「共助」の意識を高める国際デーとなった。
御坊市では大津波警報を発令、「東日本大震災クラスの津波が来ます。ただちに高台に避難してください」と放送で呼びかけ、携帯電話にエリアメールを配信。各家庭では、姿勢を低くして机の下などに入って頭を守り、揺れが収まるまで動かないアメリカ発祥のシェイクアウト訓練を各自が実践し、自分の命は自分で守る意識を家族で共有する姿が見られた。野口小学校区で行われた指定場所への避難では、スタッフや小学生らが道路損壊や家屋倒壊等の危険がある場所に立って「ここは通行止めです」と別ルートでの避難を呼びかけるなどよりリアルな訓練を実施。参加者は慌てず違う道順で避難所を目指すなど、突然のハプニングにも冷静に対応する力を養っていた。岩内会館へ避難した青木敏次さん(70)は「途中で道が通れなかったが、災害時は何が起こるか分からないのでいい訓練になった。普段から訓練をやっておかなければと思いました」と話していた。
このほか、新町地区の至誠会自主防災会や島東正会などは、このほど耐震工事が完成し避難場所に指定されている御坊小学校北校舎屋上に逃げる訓練を実践。富安地区自主防災会も避難、丸山地区自主防災会は宮山と西山の2カ所に避難したあと、おにぎりを炊き出し。ほかの各地区でもさまざまな訓練が行われ、いざという時に備え、防災意識を高めていた。