由良町とふるさと協定を締結している摂南大学が、産学連携ツーリズムセミナーで同町の観光をテーマに研究発表を行い、見事優秀賞に輝いた。全国の大学53校から選ばれた栄誉。同大学の学生が現地調査などを基に、由良の観光について研究してくれていること自体、まちの観光振興につながる話だが、さらにツーリズムセミナーのような全国舞台で発表してくれることは、由良のPRにも大きく貢献した。
 日高地方では近年、学生らの協力を得た地域活性化や観光の取り組みが増えている。先日、日高町では徳本上人のまちづくり、美浜町ではまちの魅力づくりで、それぞれ和歌山大学の学生から提言やアイデアを聞いた。こういった若い学生たちの柔軟なアイデアや行動力には大いに期待しているところ。学生たちにとっても地域住民と触れ合ったり、他の地域の現状を学んだりすることは、プラスになる面も多く、今後の勉強や社会生活に役立っていくのではないだろうか。
 また、先日の取り組みで由良や美浜町などを訪問した学生の中に、地元出身者はいなかったが、外部の視点だからこそ率直な意見が多く、地元住民では気付かなかったことも指摘してくれる。そして、実は学生がこちらの地域のことを学んでくれることが、その地域のPRにもなる。取材をして学生から聞くのは、「こんな素晴らしいまちだと初めて知りました。今度、あらためて来たいです」などの声。いまの学生たちはSNSも当然のように利用。彼、彼女らに気に入ってもらえれば、それが全国発信にもつながる。そんな外部との学生との交流は、ぜひ今後も継続してほしいものである。(吉)