今月11日に初めて開かれた「高野龍神スカイラインウルトラマラソン」の50㌔60歳以上の部で、井上誠さん(61)=日高町高家=が見事2位でゴールした。送られてきた賞状と龍神材の記念盾を手に「うれしいです」と笑顔を見せている。
 ウルトラマラソンとは、フルマラソン(42・195㌔)以上の距離を走るマラソン。龍神温泉と高野山を結ぶ高低差812㍍の難コースで、100㌔は高野山大学を出発して龍神村で折り返す往復のコース、50㌔は宿泊施設「季楽里」前を出発し高野町をゴールとするコース。2コースで1129人が挑み、井上さんが参加した50㌔では665人が参加したが、およそ4分の1がリタイアし、完走は506人。60歳以上の部では、制限時間(7時間)以内にゴールしたのは31人だった。
 井上さんは日高川町鐘巻の「お食事処あんちん」に勤務し、15年間、名物のつりがねまんじゅうを焼いている。高家の自宅から自転車で通勤していたが、5年ほど前に走って通勤するようになった。若い頃にもスポーツの経験など何もなかったが、意外に楽に走れたこと、試しに参加したマラソン大会で予想外にいい成績だったことから自信がつき、今回は初めてウルトラマラソンにエントリー。長い山道を走るのはこれまでにない経験で苦しかったが、素晴らしい絶景を眺めているうちに楽しく走れるようになった。タイムは5時間6分1秒。50㌔全体の中でも、506人中38位の好記録だった。
 井上さんは木目も美しい龍神材の盾を手に、「今はマラソンに本格的に取り組みたくなって、仕事を終えてから毎日10㌔走っています。その時間を確保するため、通勤は車になりました」と笑顔。「スポーツをあまりやったこともないまま年をとっても、思いきってやってみればこんな結果を出せる可能性がある、と60歳以上の皆さんの励みになればと思います」と話している。