リオ五輪の体操男子団体で日本が12年ぶりの金メダルに輝き、列島が歓喜に包まれるなか、和歌山県出身の田中佑典選手(26)の大活躍に県内の体操関係者は大喜び。元東京五輪代表候補で、現在は近畿体操協会の副会長を務める小宮清さん(75)=美浜町和田=もテレビの前で声援を送り、「佑典が(金メダルに)最も貢献し、一番光っていた。最高です」と喜びを噛みしめている。
4年前のロンドン五輪では、田中選手は兄和仁さん(31)、姉理恵さん(29)とともに3きょうだいそろって代表入りを果たし、小宮さんは当時、県と近畿の両体操協会の理事長を務め、大会前の激励会や試合当日のパブリックビューなどに忙しい日々を送った。結果、男子団体は中国に次いで2位に終わり、個人も含め、田中きょうだいは1人もメダルを獲ることができなかった。
世界選手権個人総合6連覇の絶対王者、内村航平選手(27)を中心に、オールラウンダーの加藤亮平選手(22)、床の白井健三選手(19)、平行棒の田中選手らスペシャリストもそろってベストメンバーで臨んだ今大会。予選は内村選手が鉄棒、田中選手が平行棒、さらに白井選手が世界一といわれる床でまさかの失敗を重ね、日本は4位での決勝進出となった。
決勝は最も失敗率が高いあん馬から始まり、最後の6種目目は最もスタミナを消費する床という最悪のローテーション。1種目目のあん馬で山室光史選手(27)が落下したが、3人目の加藤選手が盛り返し、平行棒では田中選手が完璧な着地でチームを2位に押し上げた。これで勢いづいた日本は続く鉄棒、最後の床で高得点を連発し、追いすがるロシア、中国を振り切った。
小宮さんは「予選では信じられないミスを連発してしまい、どうなることかと思いましたが、決勝ではみんな期待以上の素晴らしい演技を見せてくれました。とくに佑典は出場した3種目(平行棒、つり輪、鉄棒)すべてでチームトップの成績でしたし、金メダルに最も貢献し、5人の中で一番光っていたと思います。本当にうれしい。最高です」と笑顔。田中選手のふるさと和歌山での祝勝会は、「来月にも開きたい」と話している。

