先日、日高川町に工場を持つ、チョコレートなど開発、製造の㈱たにぐちの避難訓練を取材した。同社では災害時に早期に事業を復旧させるBCPの策定を進めている。避難訓練はその一環で、事業を継続するためにはまず人命が大切として、従業員の避難を実施した。訓練では速やかに避難し、担当者が素早く点呼をとった。同社では今後、機械の復旧などに向けた取り組みを検討している。
 自治体や地域の団体の避難訓練はたくさん取材してきたが、BCPはあまり耳にしたことがなかった。Business Continuity Planの頭文字を取った言葉。東日本大震災で企業も大きな被害を受け、BCPを積極的に取り入れている企業も多く、その成果は4月の熊本地震でも生かされた。中でも大手コンビニでは、熊本県内の工場が被災しストップしたが、九州の他県の工場がカバーするなどで対応し、すみやかに被災地に食料や飲料を供給した。このほか、被災状況や商品情報を一括管理するシステムを構築したり、店舗に自家発電設備を取り付けるなど、災害への取り組みを進めている。
 民間企業の復興は、従業員の生活に大きな影響を与え、ひいては地域の復興に関わってくる。被災後、行政による復興への取り組みが進み、ある程度のライフラインが回復してきても、仕事を再開できなければ、生活を取り戻すのは難しい。また、事業継続と言っても燃料や原材料の仕入れ、流通などがあるため、自社だけで完結させるのは難しい部分も多いと思うが、避難による従業員の人命を第一に、万が一の事態への対応、復旧への道筋を策定しておく必要がある。(城)