年間6人の著名人がそれぞれに90分間語る、市民教養講座。ことしもチケットが発売されている
本年度講師陣は、ジャズシンガーの綾戸智恵、バルセロナ五輪水泳金メダリストの岩崎恭子、ジャーナリストの長谷川幸洋、落語家の柳家花緑、俳人の夏井いつき、雅楽師の東儀秀樹の6氏。発売日に取材したところ、広川町から毎年買いに来ているという女性グループがいた。「岡山県から移り住んできたが、御坊にこんな講座があると知ってずっと購入している」という人もいた。6回通し券で3000円。以前は2000円だった。「高くなったが、それで買うのをやめるということはない」との声もあった
個人的に聴きたいのは俳人の夏井いつきさん。TBS系「プレバト!!」では「毒舌先生」として芸能人の作品をズバッと斬り、少しの手直しで鮮やかな名句に生まれ変わらせる。教え方は歯切れよく、俳句のことなど何も知らない一般視聴者も納得できる。一例を挙げると、話題作「火花」と同時に芥川賞を受賞した作家の羽田圭介氏。海の見える雪景色を題材に「ジオラマかアクリル性の冬の波」と詠んだ。寒さの中で海は透明なアクリル模型のように見えるということらしい。「ジオラマか」などコントのツッコミのようで、筆者にはよさがわからなかったが、夏井さんはこれを1位にした。冬の冷たさ、三角形の波の形を「アクリル性の冬の波」と表現したのは尋常でない感性という。ただし「ジオラマか」はまったく気に入らないとして最初の5文字を添削し、「無音なるアクリル性の冬の波」。詩のような格調高い句が生まれたことに感じ入った
一つの世界を極めている人の話には必ず聴くべきポイントがある。チケットは残り少ないそうなので、購入はお早めに。 (里)

