春は旅立ちの季節。日高地方からもふるさとを離れ、夢実現へチャレンジする中学生や高校生は多い。
 ことし取材したスポーツ選手では日高高駅伝部で活躍した野田康介君、笹裏真樹君、松洋中柔道部だった久保井仁菜さんら。野田、笹裏の両君は甲府市の山梨学院大に進学、大学駅伝一の花形レース・東京箱根間往復大学駅伝競走出場を目指す。「ものすごい歓声の中で走ってみたい」「『山の神』に憧れて」。それぞれきっかけは違うが、ゴールは同じ。入寮直前に話を聞くと、2人そろって「絶対に一度は箱根を走りたい」と燃えていた。
 久保井さんは昨夏、全国中学校柔道大会女子個人44㌔級で準優勝。進路には京都市の強豪・京都文教高を選んだ。女子選手では県勢3人目、日高地方勢では初の決勝進出者となり、銀メダルを獲得した時。準優勝の喜びよりも決勝で惜しくも優勢負けした悔しさをにじませていたのが印象的で、まだまだ上を狙いたいとの強い決意がうかがえた。当時、将来の目標を聞くと「オリンピック出場」と即答。先日のインタビューの際にも「夢は東京五輪」と力強く答えてくれ、頼もしかった。
 地元、親元を離れて厳しい練習に臨みながら生活するのは大変と思うが、野球に打ち込む中学生では県外の強豪私学に入学し、甲子園を目指す選手もたくさんいる。また、高校生では社会人バレーの名門に入団、日本代表選手らと一緒にプレーする女子選手もおり、こちらも注目している。
 紙面をにぎわせた選手たちが地元からいなくなるのは少しさびしい気がするが、新天地で頑張って引き続き感動と希望のニュースを届けてもらえれば。今後も皆さんの活躍を追っていきたい。  (賀)