節句の贈り物として親しまれていた御坊人形をもとに創作したオリジナルの「天神人形」などを販売する新しい土産物店「御坊天神堂」が8日、寺内町の日高別院南にオープン。初日はあいにくの雨の中も、大勢の人が来店してにぎわった。
 天神人形は、祭具師の杉本卓治さん(48)が、御坊人形の天神さんを杉本流にアレンジして製作。御坊の文化を発信する拠点、天神人形を注文できるお店として杉本さんが代表、知人の喜多徹さん(54)が副代表となって天神堂をオープンさせた。
 開店の午前10時前から知人に聞いたり新聞を見て知ったという人らが大勢詰めかけ、天神さんのイラスト入り天神香茶やマグカップ、天神まんじゅうはあっという間に売り切れるなど大好評。先着50人には店内で天神まんじゅうと天神香茶が振る舞われたほか、喜多副代表が天神人形について説明するなど、アットホームな雰囲気が漂っていた。友達と来店した御坊市内の女性(50)は「御坊人形は家にもありますが、最近は節句に贈る風習もなくなっているので、また新しい伝統になればいいですね」と話していた。当面は日曜と祝日のみ午前10時から午後5時まで開店する。杉本代表は「こんなにたくさんの人に来ていただき、本当にうれしい。気軽に立ち寄ってもらえる店にしていきたい」と話していた。