6日午後5時半ごろ、みなべ町埴田地区で竜巻か突風とみられる強い風が発生。町デイサービスセンターゆうゆう館の駐車場の屋根が飛ばされ、民家のガラスが割れるなど少なくとも建物7件で被害が確認された。けが人はなかった。住民の話によると、「一瞬の出来事だったが、『ゴー』というすごい音がした」と話している。
 7日午前中の町の被害状況まとめによると、デイサービスセンターゆうゆう館では駐車場屋根のほか天窓7枚、中庭の窓1枚が割れた。外装工事のため組んでいた足場も倒れた。食堂「海鮮房井乃芳」では、1階と2階の窓ガラスが各2枚破損、店や来店者の車6台にも被害が及び、窓ガラスが破損したり車体がへこんだりした。釣りえさ工場㈱浜市でも事務所の窓が割れたほか、資材庫のスレート屋根が飛ばされた。㈱ナカノフーズでは倉庫のシャッターが一部破損、なかよし作業所では物置が壊れた。周辺の民家でも、屋根や窓、テラスが破損したほか梅の木や大木が倒された。被害は増える可能性もある。
 7日午前には気象庁機動調査班の6人が現地調査。国道42号沿いにあるダイビングサービスサンマリンの酒井崇司代表(40)に聞き取り調査などを行った。当時、酒井さんは事務所から窓ガラス越しに海を見ており、「鹿島の方向に、宙に浮いた竜巻のようなものが見えた。そのあと消えたが、すごい風が吹き、海が大しけとなった。辺りも真っ白になり、まったく前が見えなくなった。午後5時25分から5分間程度の出来事だったように思う」と話した。
 このほか、自宅のテラスが飛ばされた上野桝雄さん(87)は「台風なら事前に対策ができるが、今回は雨戸を閉める間もなかった」、会社員の森山恒男さん(40)は「1分もなかったと思うが、すごい風の音だった」と話していた。
 この日、和歌山地方気象台は夕方に竜巻注意報を発令。同町では午後6時31分に大雨洪水警報も出されていた。