自民党の成年年齢に関する特命委員会(今津寛委員長)は、飲酒やたばこの喫煙年齢について「満20歳から」を「満18歳から」に変更することを検討しているという。現状より2歳引き下げることになるが、同委員会では引き続き検討したうえで政府に変更を求める方針だという▼もちろん世間では賛否両論だ。賛成派は「高校を卒業すると、20歳以下でも日常的に飲酒が行われ、たばこも吸われている。現状に合わせてもいいのではないか」「年齢を引き下げることで、自覚を持って行動できるようになる」など。反対派では「高校生でも法的に飲酒や喫煙が可能になり、学校の風紀で問題が生じる」「たばこは身体に害があるし、お酒も変える必要はない」などとしている▼選挙で投票できる年齢が従来の「満20歳以上」から「満18歳以上」となったが、成人とみなす年齢を「20歳以上」にするか「18歳以上」とするかだ。全体的な流れとしては「18歳以上」という方向に変わりつつあるようだ▼しかし、成人の定義は難しい。ただ単に「成人年齢を過ぎた人」というのも疑問。高校を卒業して大学生活を送っている人と社会でもまれながら働いている人では物事に対する考えに差が出る。過去の経験などにも影響する。本当の意味での成人とは成熟した考えを持っているかどうかで決まるのではないか▼たばこや酒は健康を害する恐れもあるのは事実。それを小中学生に説明した上で、喫煙や飲酒について質問すると「たばこは吸わない。お酒もたくさん飲まない」と、おそらく答えるだろう。筆者自身も喫煙経験があるし、酒も飲む。極論といわれてしまうが、飲酒、喫煙の行為自体が果たして成人といえるのか。 (雄)