阪神甲子園球場で開催された第97回全国高校野球選手権大会でベスト8入りした九州国際大付のエースで、御坊市出身の富山凌雅選手(3年、和歌山御坊ボーイズ/ジュニアタイガースOB)が大会後に帰省。大舞台での激闘を振り返り、「負けは悔しいですが、悔いはないです」と晴れ晴れした表情。9月の紀の国わかやま国体が高校生活最後の大会で、「甲子園で負けた早稲田実にリベンジしたい」と闘志を燃やした。
 20日に帰省し、22日には御坊市民球場を訪ね、中学時代の恩師、御坊ジュニアタイガースの山﨑幸二代表に甲子園での結果を報告。中学時代にバッテリーを組み、いまでも親友の久保和馬選手(紀央館3年)とも正月以来8カ月ぶりに再会した。
 甲子園では4試合すべてに登板。1回戦の鳴門戦では先発し、6回1失点の好投。3回戦では強打の作新学院相手に完封するなどベスト8の原動力となった。「個人としては作新学院戦で完封したのが一番よかったですが、印象に残った試合は2回戦の大阪偕星戦。接戦で粘り勝ちできてうれしかった」と振り返る。準々決勝の早稲田実戦は0―5の4回途中から登板。注目の1年生清宮幸太郎とは2打席対戦し、1安打を許し〝引き分け〟。「清宮君は1年生だが注目されるだけあって雰囲気があった。ベスト8で負けたのは悔しいですが、力を出し切ったので悔いはない。甲子園は楽しかったです」と笑顔を見せ、「国体は中学のとき以来の紀三井寺で投げられるのがうれしい。高校生活最後の大会なので、勝敗よりも楽しみたい気持ちが強いですが、対戦するなら早稲田実とやって勝ちたい」と話している。
 中学時代は富山選手の女房役だった久保選手は「帰省して早速球を受けましたが、さらに速くなっていたし、キレがすごかった」とMAX143㌔の左腕に太鼓判を押し、「将来はプロ野球選手になって、同じチームでバッテリーを組みたい」と白い歯を見せて互いの活躍を誓った。2人の恩師である山﨑代表は「甲子園に応援にいくと、わが子のように思え、打たれたときは涙が出た。2人ともこれからはもう一つ上を目指して頑張ってほしい」とエールを送った。