印南町印南原の電子部品製造業、中紀精機㈱の林俊男代表取締役社長は22日、7月1日から社名を「和歌山太陽誘電㈱」に変更することを発表した。同社は電子部品製造販売の太陽誘電㈱=東京都=の子会社で、親会社の社名にすることでグループの認知度とブランド価値の向上を図り、さらなる事業の拡大を目指す。
 中紀精機は、携帯電話などの電子機器に組み込まれている部品「インダクタ」を製造。昭和46年の設立で、従業員数は170人(27年3月31日現在)。親会社である太陽誘電㈱は、セラミックコンデンサやインダクタ、モバイル通信用デバイスなどの電子部品を製造販売、年商2271億円、従業員数1万8262人の企業で、中紀精機は昭和60年に資本参加。平成19年に子会社、23年から100%出資の完全子会社となり、同社のインダクタ生産に大きく貢献している。
 今回、中紀精機を含む太陽誘電の子会社4社が社名を変更。コーポレート・ロゴなども統一し、同社ではグループ一体となった事業展開を推進することで、さらなる事業拡大を図っていく。林社長(60)は「〝中紀精機〟の名が地域で認知されてきましたが、設立45年目で社名を変更することになりました。社名が太陽誘電となることはありがたいこと。グローバル化、さらなる競争力のアップへ太陽誘電というブランドを利用させていただくことで、会社の事業価値を高めるとともに、人材確保、人材育成などの面でも最大限に生かしていきたいと考えています。早く地域の皆さまに認知されるよう頑張っていきたい」と話している。
 同社では、しらこ工業団地内の稲原工場南側に建設を進めている新工場「稲原工場焼成棟」が間もなく完成。7月10日から稼働する。日本を含む世界中でニーズが高まっているインダクタの生産拡大に向けての増設で、敷地面積約4750平方㍍、延べ床面積は約1100平方㍍。3年間で20人程度の雇用を予定している。