県道御坊湯浅線で由良町門前から衣奈までを結ぶ「衣奈トンネル」の新設工事が着々と進み、17日には無事貫通した。以後、トンネル内のコンクリート工事や取り付け道路の整備などを進め、本年度末までの完成、供用開始を目指す。
 既設のトンネルは幅員が4.5㍍しかなく、乗用車同士の対向ができないなど不便。新トンネルは延長484㍍、幅員6.5㍍の2車線。昨年7月、衣奈側から掘削を進めていた。門前側は興国寺北西約300㍍の山腹が入り口になっており、掘削機を使って最後のひと堀り。直径1㍍ほどの穴が開いて貫通すると、門前側の見物人から「開いた、開いた」と歓声と拍手が起きていた。
 事業費は8億4000万円。さらに取り付け道路の整備などにも予算が必要となるが、いまのところ詳細は未定。新トンネルの設計は和歌山市の応用地質㈱和歌山営業所(岡田重治所長)。施工は和歌山市の㈱森本組和歌山営業所(莧孝之所長)と那智勝浦町の英進工業㈱(岡本英俊代表取締役)のJV。
 貫通に際し、畑中雅央町長は「協力いただいた地元、県はじめ関係者の皆さまに深く感謝したい。生活道路、産業道路、観光道路として重要な位置を占める幹線道路で、地域住民の長年の悲願。一日も早く供用の日が来ることを願っている」と話している。