みなべ町埴田、国民宿舎紀州路みなべは、増加している訪日外国人の誘客を目指し、本年度中に外国人向けホームページの開設やWi―Fi(無線LAN)環境の整備を行う。施設内の案内看板などに外国語表記を併記することも検討しているという。担当者は「外国人の誘客を通じ、みなべの魅力を世界に発信していきたい」と話している。
 査証(ビザ)の発給要件緩和や消費税の免税制度拡充、円安を背景にアジアを中心に外国人の訪日が増加し、昨年は過去最高の1341万4000人を記録した。みなべ町でも、昨年度は紀州南部ロイヤルホテルの企業努力などで過去最多の4万5000人となった。
 国民宿舎紀州路みなべでも数年前から外国人観光客が増え始め、宿泊客や日帰りの温泉入浴客でも外国人の姿がみられるようになった。担当者は「ホームページへのアクセスも中国、台湾、韓国などからある。日本語表記のためすぐに見るのをやめているようだが、海外からのアクセス数は全体の約10%」という。こうしたことから本格的に訪日外国人の誘客活動に乗り出すことにした。
 外国人向けのホームページでは、特産の梅や備長炭のほか、秋祭りなど地域の文化や生活スタイルを掲載する。ウミガメの産卵、みなべ沖に生息する珍しいオオカワリギンチャク(イソギンチャク)など豊かな自然も紹介する方針。写真に特化したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「インスタグラム」の活用も考えていているという。
 担当者は「本年度中に準備を済ませ、来年度から本格的な誘客活動を考えている。主に個人旅行者をターゲットとし、みなべの魅力を売り出していきたい」と話している。