20代前半のころは比較的、地方より都市に住みたいという思いが強かったが、子どももできたいまでは、それほど思わなくなった。自身の環境が変わっただけでなく、インフラ整備など周辺環境の変化も大きい。特に高速道路の4車線化。以前は、大阪方面へ行こうとしても出発が少し遅れると有田と海南間のトンネルで大渋滞が発生し、和歌山市内へ行くのにも苦労した。いまでは渋滞がなくなり、大阪市の中心地に行くにも家を出て1時間半から2時間以内に到着できるようになった。またネットショップが充実し、周辺に売っていない物を遠くまで出向かなくても安く早く手に入れられるようになった。そういったことで、便利さを求めて都市部に住みたいという気持ちが薄らいできたのだろう。
 同じように都市から地方への移住を考えている人も多いようだ。㈱インテージリサーチ(東京)は全国の18歳以上の男女約1万人を対象に移住に関する意向調査を行った。その結果、「移住を検討したい」と考えている人が全体の36%あることが分かった。さらに地方への移住に当たって求める条件については、故郷へ帰るUターン以外では、「自然が豊か」であることが最も多い結果となった。
 移住を考えている人が多いといっても和歌山を選ぶとは限らない。そんな中、印南町が若者の家取得に100万円を助成したところ、4年間で60件の申し込み、内4割が移住者となった。「自然の豊かさ」では和歌山は他県に引けをとらないが、それだけで勝負するのは難しい。大阪の近く、交通の充実などに加え、各自治体から若者をひきつけるような斬新な取り組みが出てくることに期待したい。    (城)