みなべ町東本庄の県うめ研究所は、梅の連作障害対策にエタノールを使った土壌消毒の新技術を開発し、マニュアルを作成した。これまでは活性炭を使った成果をまとめていたが、今回はエタノールを併用することで連作障害を抑制する効果がさらに増大したという研究結果を発表。エタノールが土の中の微生物を活性化させることで酸欠状態となり、連作障害物質を抑制するとみられる。コストや労力削減に期待が高まっている。
 南高などの梅は25年程度で改植が必要となるが、そのまま新しい幼木を植えると連作障害が出てうまく生育しない問題があり、同研究所が対策を研究している。
 今回は平成24年度から26年度末までの3年かけて、野菜の連作障害対策で使われていたエタノールに着目し、梅でも活用できないか実験した。エタノールによる土壌消毒を行った上で、活性炭を土壌に混ぜて植えた幼木は、無処理の幼木に比べて1年間で2.5倍も生育することが分かった。エタノールに多く含まれる炭素が土の中の微生物を活性・増殖させることで土の中が酸欠状態となり、連作障害物質とされる線虫などの病害虫の発生を抑制する働きがあると考えられるという。エタノールを水で1.5%に薄めたものを1平方㍍当たり80㍑土にしみこませてビニールで覆うと、酸欠状態を維持するとともに太陽熱消毒の効果も。夏場に1~2カ月間行うのが最も効果的となっている。
 これまでの連作障害対策では重機を使って土を入れ替える方法があったが、エタノール消毒を活用することでコストが3割に抑えられ、労力削減にもなる。同研究所では研究の成果と効果的な消毒方法をまとめたマニュアルを作成し、各振興局の農業普及員やJAの営農指導員らに配布。希望があれば生産者にも提供する。研究を続けてきた下博圭研究員は「3年間の実験で成果が期待できることが分かったので、皆さんに知ってもらえるようにマニュアル化しました。これから改植する園地が増えてくると思うので、ぜひ参考にしてほしい。分からないことは気軽に聞いてください」と呼びかけている。