任期満了に伴う美浜町長・町議同時選が3日告示され、注目の町長選には2選を目指す現職森下誠史氏(59)=三尾=と新人の元町議会副議長谷進介氏(56)=三尾=がともに無所属で立候補した。政策面に大きな違いはみられないが、4年間、議場で激しく対立してきた両者にとっては因縁の対決。森下氏が正念場を乗り越えるか、谷氏が政権を奪って新しい美浜づくりを進めるか、厳しい寒さのなか、両陣営決死の戦がスタートした。

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 森下陣営は吉原地内の選挙事務所で出陣式を行い、支持者ら約300人(主催者発表)が集まった。福田秋後援会長は「森下候補は何のしがらみもなく、コツコツと誠実に働く男。皆さんの力で再度町政の場に押し上げて下さい」と支援を呼びかけた。日高地方の各町長や県町村会長の小出隆道上富田町長ら来賓を代表し、日高郡町村会長の小谷芳正みなべ町長が「8日には万歳できるよう頑張ろう」と激励した。4年前と同じ「現場主義」の作業着、必勝のはちまき姿でマイクを握った森下候補は、「5日間走って、走って、走り抜きます」とあらためて決意を表明。公開討論会や公開質問状への回答を断った経緯を説明したあと、出生祝い金の支給や小学校屋上への外付け階段の設置など4年間の実績を強調した上で、「浜ノ瀬公民館への避難タワー建設や松原地区へは2000人避難できる築山、田井地区への高台建設、三尾へのヘリポート整備など防災対策を一層充実させていきたい」と力を込めて抱負。「やらねばならないことはたくさんある。住んでよかったまちづくりにまい進していくので、どうか皆さんの力を森下にお貸しください」と声を大に支持を呼びかけた。最後は全員でガンバローコールで気勢を上げ、勢いよく街宣へ飛び出していった。



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 谷陣営の出陣式には約150人(主催者発表)が集まり、髙垣典生後援会長は「現職は人気があり、人柄もよく町民から支持を集めているが、人柄や人気で美浜町の将来を担う町長を選んでよいのか。今回の選挙は決して人気投票のような選挙であってはならない」とし、政策重視の選択を呼びかけ。そのうえで、谷候補の東日本大震災以降の防災に関する活動を紹介し、「現職の背中はあと少しで手が届く。どうかあとひと押し、皆さまの絶大なるご支援をお願いしたい」と述べた。

 田辺市の安達克典市議、友人の「コニタン」こと俳優の小西博之さんの応援を受け、谷候補は「地震津波で誰一人として犠牲者を出さないため、県や国の力を借り、この対策を一番の政策として進める。人口減対策は単なる現金給付だけでなく、小規模事業の雇用の支援策などを進め、教育では2小学校の統合等、高校卒業までの医療費無料化は財源や負担の公平化を考えながら前向きに検討したい。また、防災では二階先生が尽力された国土強靭化のいわゆる『二階三法』も、地元で実施計画を策定するが、行政だけでなく住民の皆さんとともに考えて提案したい」と約束。最後に「私の目標は立候補でも当選でもない。この美浜町を安心できるまちにするために立候補した」と述べた。