任期満了に伴う美浜町長選(町議と同時)が3日告示される。立候補を予定しているのは現職の森下誠史氏(59)=三尾=と新人の元町議会副議長谷進介氏(56)=三尾=で、相次ぎ出馬を表明してからこれまで約3カ月にわたる前哨戦は、公務で動きが制限される森下氏を谷氏が運動量でリード。年が明けてからは公開討論会をめぐる動きなどで有権者の関心も高まりつつあり、森下氏が巻き返しに転じている。
 町長選に向けては、新人の谷氏が昨年10月20日に議員を辞職し、31日に正式に立候補を表明。現職森下氏もその翌日の11月1日、2選を目指して立候補の意思を表明した。谷氏はこれまで4年間の森下町政を「災害対策など、住民ニーズに合った行政のスピード感が足りない。このままではまちが取り残されてしまう」と厳しく批判のうえ、約2期8年間の議員の経験と実績、実行力をアピールしながら、防災、人口減、安心・安全のまちづくりを中心に自身の政策を訴える。
 髙垣典生後援会長は「本人は持てる人脈をすべてたどりながら、これまで町内を4、5巡はした。われわれ後援会も地区割り、女性や若者の組織体制は完全ではないが、町内外の支援者のご紹介もいただきながら、地道に支持拡大に努めている」とし、前哨戦は「やっと現職の背中に手が届くかなというところまできた」と総括する。
 一方の森下氏は、4年前とは逆の立場の現職として、平日は公務のためにほとんど動けない。その分を前回からの後援会メンバー、各地区の支持者が中心となってカバーし、コツコツと歩き回って1期4年の実績、しがらみのない実行力、打てば響くフットワークのよさをアピールする。
 森下氏本人は2期目も引き続き災害対策を第一に、子育て環境、教育、高齢者福祉、産業振興などに公約を掲げ、告示からフルスロットルで5日間を駆け抜ける構え。
 年が明けてからは開業医の団体による公開討論会の申し入れがあったが、森下氏はその代表が「相手候補の関係者であることが判明した」などとして、討論会への参加も公開質問状の回答も拒否。これに関し、福田秋後援会長は「質問状への回答拒否については、批判の声もいただいたが、逆にそれでよかったという声もあり、とくに影響があったとは感じていない」。前哨戦は「相手の足の速さに大きくリードされていたが、年が明けてからようやく追いついてきた」とみる。