みなべ町は、東吉田地内の農業用ため池を埋め立て、防災広場整備などに活用する構想を検討していることが分かった。津波被害が懸念されている海岸部に位置する保育所・幼稚園の移転先の候補地としても視野に入れている。16日から開会する定例議会で水量調査委託料として80万円を提出。可決されれば、ため池を埋め立てた場合の代替となる農業用水が確保できるかどうかを調査する。
 埋め立てを考えている池は、東吉田地内の南部保育所から東へ約300㍍付近にある小山田池(面積約50㌃)と同池の北側に隣接するハス池(面積約30㌃)。現在も農業用のため池として活用されており、町では埋め立てた場合に代替となる農業用水を井戸水などで確保できるかなどを調査する方針。構想では津波などの大災害が発生し、猪ノ山公園(芝)、鎌田池公園(東吉田)、埴田の山などに1次避難した住民らが2次避難できるような施設を建設する考えがある。ほかにも以前から津波被害が懸念されている海抜の低い愛之園保育園(埴田)、南部幼稚園(芝)、南部保育所(東吉田)の移転先候補地としても視野に入れている。小谷芳正町長は「いまは構想段階で、具体的なことについては調査結果が出てから」と話している。