先日、日高高校の生徒が1人で本社にやってきて、所属クラブの発表会のことを新聞で紹介してほしいと依頼してきた。その生徒はきちんとあいさつした上で、「いつも載せていただき、日高新報さんにはお世話になっています」とお礼の言葉。そして「できれば今回も掲載していただきたいのですが」など、非常に礼儀正しい言葉遣いと態度で、こちらとしてはすがすがしい気持ちになった。さすが100周年の伝統ある学校の生徒だと感心。ちなみに筆者も日高のOBだが...。
 自分のことを棚に上げて言うのも何だが、礼儀正しい高校生がいるかと思えば、礼儀なんてそっちのけの社会人もいる。まず基本のあいさつができない人。関西圏なので「まいど」と言うが、それはそれでよい。しかし、例えばどこかで顔を合わせたり、階段ですれ違ったりしてもあいさつはもちろん、会釈すらできない人もいる。筆者が担当の御坊市役所では、市長があいさつを徹底していることもあって、以前と比べそんな職員はほとんどいなくなったが、ごく少数だが頭に顔が浮かぶ。あいさつだけ取り上げて言うと酷かもしれないが、ああいう人は社会人としての自覚や仕事への責任感が足りないのだろう。
 もう一つ礼儀の話で、感謝の意を上手に表わせない人がいる。最近、気になるのが取材依頼しておいて、掲載後は素知らぬ顔。記事で取り上げるのが当然だと思っているのだろうか。もちろん、こちらは記事を書くのが仕事だから、わざわざお礼の言葉なんて求めていないし、記者として求めるべきではない。ただ、礼儀正しいあの生徒を見ると、同じ社会人として情けなく、恥ずかしい気持ちになる。(吉)