御坊市観光協会のPR大使に印南町出身のシンガー・ソングライターにしゆきさんが委嘱された。以前から「紀の国 宮子姫」などご当地ソングで地元をPRしてくれていたが、今回、初の全国流通アルバム発売で活動の場を広げるのを機会に、全国的に御坊や宮子姫をPRしてもらう。県外など外向けの宣伝がいま一つ弱い中ありがたい話で、にしさんの活躍に期待したい。
 PR大使の委嘱式の場では観光協会メンバーが「御坊の観光はまだまだ」と言っていたのが印象的だが、まさにその通りである。寺内町観光推進や語り部育成、宮子姫花かご弁当の開発など、官民が頑張っているが、観光でなかなか〝飯を食う〟ところまではいかない。そんな要因の一つに、まだ地域一丸となって観光に向かって盛り上がれていないことがあると思う。確かに観光用のトイレはあまり整っていないが、寺内町や宮子姫、岩内古墳など磨けば光る素材がたくさんあるのだから、もっと商店街や地域住民を巻き込んで一つの方向に向かえば、きっといいものになっていく気はする。
 かつて英国のエンジニアが発表した戦闘用の「ランチェスター戦略」の考え方の一つに「1の4乗は1だが、1.2の4乗は2.0736」というのがある。これは4人の人がいたとして、現状なら成果は1のままだが、それぞれのレベルをわずか2割ずつ上げれば、約2倍の成果になるという話。会社経営でよく使われるが、これは観光でも何に対しても同じ。みんながそれぞれに意識を高めて取り組み、レベルアップすることが大切だと思う。リーダー的存在も必要だが、1人が頑張ったところで大きな成果は得られない。 (吉)