前町長死去に伴い、5月6日告示、11日投開票で行われる日高町長選で、出馬が取りざたされていた町議の松本秀司氏(58)=志賀993=が5日に自宅で記者会見し、正式に立候補を表明した。松本氏は「町長が亡くなられたからと、町行政の停滞は許されない」と決意を示し、保健事業・子育て支援の充実、大地震対策の実施を柱とする9項目の公約を発表した。同日現在、他に町長選へ出馬表明している人はいない。
 松本氏は冒頭、「町長が亡くなられたからと、町行政の停滞は許されない。目の前にある多くの課題に対応すべく、決断を次々としていかなければなりません」と決意を表明。故中善夫前町長の退職届け出があったあと、多くの人たちに町長選への出馬要請を受けたとしたうえで、「尊敬する中町長の足元にもおよびませんが、日高町発展のため、日高町民のため、誠心誠意努力してまいりたい。地に足をつけて住民の皆さまの声を聞き、議会の提案等も聞き、日高町民でよかった、住んでよかったと思われるように、コツコツと着実に政策を実行していく」と抱負を述べた。
 町政を担う基本的な方針としては「中町長の施策を引き継ぎ、『誠実と実行』を基本に、笑顔で健康に暮らせる町づくりを目指す」。自身が3月議会で平成26年度一般会計予算に賛成している立場もあり、とくにこの1年間は「中町政」踏襲の考えを示した。公約のうち、柱とする3点では「特定健診の受診率をアップさせ、病気の予防に力を入れたい」「子育て支援センター(ふれあいセンター内)を便利で広い学童保育所(高家地内、中央公民館北隣)に移転させ、学童保育所を学校(内原小と志賀小)に設置していきたい」「避難路、避難誘導灯の整備を進めていきたい」とそれぞれ具体的に語った。
 後援会事務所は、今月中旬に日高中学校南の私有地へ設置する予定。町議は今月末付で辞職する意向。後援会は近く設立する。
 松本氏は昭和51年3月日高高校卒、同55年3月近畿大学商経学部経済学科卒。町議は平成3年2月に初当選し、現在6期目。平成13年2月から17年2月までの4年間は議長も務めた。元JAグリーン日高理事。町監査委員は現職。29歳のとき、昭和60年4月から翌年4月にかけては「返せ北方領土 日本一周自転車キャンペーン」と題して自転車で日本を一周した。
 町長選は依然、松本氏以外にもうわさはあるものの、その他に正式に名乗りを上げた新人はいない。松本氏の一番名乗りで出馬、擁立の動きが一気に活発化する可能性もあり、まだまだ予断を許さない状況となっている。