太平洋に面した国と地域が参加する柔道の国際大会「環太平洋国際柔道大会」が2月にカナダブリティッシュコロンビア州リッチモンド市のオリンピック・オーバルで開かれ、100㌔級に出場した御坊市島出身で当時国士舘大学4年生(3月末に卒業)の山本頼武さん(22)=東京在住=が3位入賞した。20㌢以上身長差の外国人選手相手に大健闘し、「大学生活最後にいい結果を残せてよかった」と話している。
 1980年に第1回が開かれ、今回で29回目となる国際大会。日本、アメリカ、カナダなどから310人が出場。日本からはこれまでの大会成績などを考慮して選ばれた10人が出場した。
 山本さんが出場した100㌔級には8人が出場し、トーナメントで熱戦。初戦は身長170㌢の山本さんより20㌢以上高い190後半のアメリカ人選手。寝技が得意と言われる日本人対策として立ち技を繰り出す相手に、苦戦しつつも一瞬の体勢の崩れを見逃さず、すかさず横四方固めに持ち込み一本。2回戦も同じく身長190㌢後半のウクライナ人選手で、序盤から攻め続けられ送り足払いで一本をとられた。上位2選手以外で3位決定戦が行われ、ブラジル人選手と対戦。身長はこれまでの相手より低い175㌢程度。圧倒的なパワーで一本をとられたが、ジュリー(審判委員)の判断で技ありに変更。その後、相手が繰り出した背負い投げを返して絞め技を決め、途中で「まて」が入ったが、相手は戦意を喪失し、再開後寝技に持ち込み一本勝ちした。
 小学校6年生から柔道を始め、御坊中時代は近畿3位、箕島高時代は全国団体8位。柔道の名門国士舘大学に入ってからは地域の大会で活躍はしたが、満足がいく結果を得られていなかった。今大会を振り返り、「練習で外国人選手と試合したことはありましたが、大会では初めて。身長が高く力の違いを感じましたが、大学生活最後に結果を残せた。小、中、高、大学での指導者の方々のおかげです」と話している。卒業後については「柔道とは直接関係のない仕事に就きますが、国体出場を目指して続けていきたい」と、新たな目標に決意を見せている。